英語で「tsunami」が一般化したのは1946年のこと。
この年、アリューシャン地震による津波がハワイを襲い
被災した
日系人が口にした「ツナミ」という言葉が地元紙に使われたのがきっかけ。

比較的津波に縁のあるイタリアやスペインでも、津波を意味する「maremoto」は「海底地震」の意味でもある。
正確に表現するため、最近は「tsunami」を使用することが多い。

「tidal wave」という言葉もあるが、tidalとは潮の干満。これがイタリア、スペインで使われた「maremoto」以上に誤った表現だったことも「tsunami」定着を促したようだ。


日本で初めて「津波」(津浪)が登場するのは1611年、徳川家康の側近が書いた「駿府記」
それまでは「四海波」などと呼ばれていたが、決まった表現はなかった。

津波とは、「津」=「港」を襲う「波」ということで、この現象の特徴をよく表している。
津波の波長は長く、大きな津波になると、長さ100kmを超える。
海上では周囲全体がゆっくり上下するため、津波が感じ取れないことが多い。

津波が真の姿を現すのは陸に打ち上げる時。特に、湾の奥では津波のエネルギーが集中するため、直線海岸より何倍も大きくなる。湾の奥には港があることが多いので、津波の力はまさに「津」で爆発する。

1896年、三陸海岸で二万人以上の死者を出した大津波をはじめ、津波被害を繰り返してきたのは、リアス式海岸という形状の為ともいえる。

津波は、環太平洋造山帯の一部をなす日本では、昔からよく知られている。

地中海沿岸の一部を除けば、欧州は津波に縁が薄く「津波」を意味する各国語も正確さには欠ける。
「tsunami」
〜外国語にも次々と定着〜